娘の側弯症が見つかったのは小学5年の学校検診(モアレ検査)でした。初めて聞く『側弯症』という病名に、どうしてうちの娘だけ‥という思いを抑え、ひたすらパソコンに向き合う事数日。わかったことは、側弯症は原因不明、治らない、角度が進行したらコルセットと、更に進んだら手術をするしかない。という事でした。これだけ医学の進んだ現代で、手だてがそれだけしかないなんて、と疑問に思うばかりでした。
その間、娘の背骨の診断をもらいに近所の整形外科へ。先生はレントゲンを見ながら『ちょっと曲ってるね~。運動して筋肉つけて、ぶら下がってれば大丈夫だよ。』と。経過観察で、4ヶ月後に来るように言われました。帰り際に腰痛体操のパンフレットを渡された時にはさすがにがっくりしました。(腰痛ではないのだけどな‥)
娘の背中を見れば、普通ではないのは明らかでした。
近所の整形外科では納得できなかったので、知人の紹介で大学病院の側弯症専門外来へ。
画像診断の結果、胸椎角度25度、中等度の側弯症と診断されました。初潮前である事と年齢が11歳でこの角度である事から、『100%進行します。』と言われ、頭の中が真っ白になりました。そして先生に言われるがまま、コルセットを作るべく型取りの石膏が娘の体にぐるぐる巻きにされたのです。
大学病院のコルセットが作られている間にも、治らないなんて全く納得できず、(しかも100%進行するなんて!)もっと他にできることがあるはずだと、引き続きパソコンにかじりつき、ようやくたどり着いたのが、SBPJでした。シュロスという体操や、ドイツ製のコルセットも効果がある上に、苦しくないというのなら、是非試してみたいと思いました。しかし何より、私がSBPJにお願いしたいと思ったのは、石原先生のメッセージを読んだからです。
石原先生はご自身のお嬢さんも側弯症で大変な思いをされています。先生である前に側弯症の子供を持つ母親である事できっと私たちの気持をわかって下さると思いました。
電話をしてみると、とにかく、一刻も早く娘の背中を見せて欲しい、との事。主人にも仕事の都合をつけてもらい、翌週には娘と3人で伺う事になりました。実際、お会いしてみて、白石先生も、石原先生も、本当に親身になってお話を聞いて下さいました。ドイツ製のコルセットの実物も見せてもらい、すぐに制作をお願いする事にしました。私たちが伺った少し前から日本で採寸ができるようになったばかりだそうで、それ以前はみなさんコルセットを作るためにドイツまで行っていたそうです。
それも含めて、SBPJで娘を診てもらえて私たち本当にラッキーだ、良かったと、主人と話しながら帰ったのを覚えています。
それから3週間後にはコルセットが完成し、娘のコルセット生活が始まりました。
コルセットは、お風呂と体操以外は着けていなくてはなりません。どれほど大変な事だろうと、心配していましたが、3週間毎の定期的な通院で、コルセットがきちんと体に合っているかチェックしてもらい、具合いの悪いところはその場で直してもらいます。ピタリと体に合っているお陰で娘は痛い、キツい、辛いなどの言葉を言った事がありません。(さすがに夏場は暑いと言っていましたが)
同時にシュロスの体操レッスンもあります。先生たちはいつも明るく接して下さり、娘も楽しそうにやってます。
その甲斐もあり、コルセットをつけ始めて1年5ヶ月になりますが、角度が13度まで改善されました。
娘の様子は、といえば。
手術をするのは絶対いやだ!との思いで体操もやり、コルセットも頑張って着けています。
初めてコルセットを着けて学校に行く時は、担任の先生からクラスのお友達に話してもらいました。コソコソ隠さずオープンにした事で、お友達にからかわれたりする事もなく普段通りの小学校生活をおくれました。
中学に上がってからは、環境が変わり、新しいお友達にいろいろ聞かれたりして嫌な思いをするのではないかと心配していましたが、最初の自己紹介で自分からみんなに説明したそうです。クラスの子たちは興味津々で、コルセットを触りにきたり、いろいろ質問されたそうですが、本人が明るく堂々としているのが良かったのでしょう。中学校でもすんなり受け入れてもらえたようです。(本当に目立たないコルセットなので、娘が言うまで誰も気づかなかったみたいです)
重い荷物を持って通学するのも心配でしたが、ちゃっかり置き勉したりしながら自分なりに負担にならないよう工夫しているようです。
側弯の角度が改善され、今の時点では手術の心配がなくなった事が何より嬉しいみたいです。
今、こうして親子で笑っていられるのも、白石先生、石原先生、SBPJのみなさんのお陰だと感謝しております。ありがとうございます。引き続きお世話になりますが、よろしくお願いします。