娘が特発性脊柱側弯症と診断されたのは、小学校6年生の9月のことでした。
「側弯症外来のある病院にすぐに行くように」との指示で、運動療法を行っている大学病院の側弯症外来にかかりました。
しかし、担当医から受けた説明は、
「原因不明で治らない病気である」こと、「現状維持を目指して1日23時間の装具着用が即必要」であること、
「装具治療を続けても進行したら手術となる」、
「HPには運動療法の記載はあるが装具以外方法はない」
という何とも絶望的な気持ちにさせられるものでした。
気持ちの整理もつかないまま装具室に案内され、
型取りのため娘の体は石膏でぐるぐる巻きにされました。
その姿になんとも不憫でやりきれない気持ちになったことを覚えています。
大学病院の装具は、重くてゴツイ、まるで甲冑のようでした。
足は上げられず、体育座りもできず、床に落とした消しゴムも拾えない等動きがかなり制限されるものでした。
にもかかわらず、担当の医師からは、「体育もダンスもできるだけコルセットをしたままするように」との指示があり驚きました。「先生はコルセットを持ったことさえないのでは、、、」と今でも思っております。
実際、装具生活が始まると、息苦しさと痒みがつらく、首や肩、腰に痛みが生じるようになりました。
すぐに、「これはダメだ」と見切りをつけた頃、小学校の養護の先生からの紹介でSBPJに出会うことができました。
白石先生と石原先生からは、日本の側弯症治療の現状やSBPJの理論を丁寧にお話ししていただき、
そのどれもが深く納得でき、共感できるものだったため、全面的に信頼してお世話になることにしました。
側弯症と診断されて以来、調べれば調べるほど日本の治療法に納得ができず、「進行したら手術」という不安を抱え、悶々とした日々を過ごしてきましたが、先生方のお話で希望の光が見え、気持ちが楽になったことが思い出されます。
11月24日から新たにドイツ式の装具生活が始まりました。
それまでの大学病院の装具に比べて、かなり軽く、体の可動域も広がり、肩や首の痛みもなくなりました。
また、薄くて着脱がラクな点もとても有り難いです。
ただ一点、思春期の娘には、装着すると左肩が上がる姿勢になることが気になるようですが、
それまでの「現状維持が目的」の装具とは異なり、「改善を目的」とした装具だと理解し、頑張っております。
大学病院の装具をつけた期間は1ヶ月だけでしたが、普段穏やかな娘から「前のコルセットは、ハンマーで叩き割りたい」との言葉が出て、相当な苦痛を強いていたのだと親として申し訳なく思いました。
運動療法に関しては、講習会に参加させていただくことができ、1日半かけてしっかり教えていただきました。
講習の間、私はメモをとり、動画、写真も撮らせていただき、帰宅後に写真付きのマニュアルを作りました。
最初の10日間程はマニュアルや動画を確認しながら毎晩親子で取り組み、
その後は、娘1人で毎日健気に頑張って、今に至ります。
ドイツ式の装具と運動療法を始めて1ヶ月後の12月後半、
コブ角が27度→7度、24度→10度という劇的な改善がみられました。
娘も私も改善すると信じていましたが、1ヶ月でここまでの改善がみられるとは本当に嬉しい驚きで、涙せずにはいられませんでした。
「今年一番嫌な出来事は側弯症になったことだけど、一番良かったことは白石先生と石原先生に出会えたことだね。」と家族で話しました。
白石先生と石原先生は、いつも親身に身内のことのように患者の立場から考え、改善に向け一生懸命取り組んでくださいます。
その思いを娘も強く感じているので、頑張ることができるのだと思います。
まだまだ成長期、今後も先生方のご指導を受けながら頑張っていきます。
今後ともよろしくお願いいたします。